任意整理を活用するテクニック
自己資本比率を高め、経営体質を強めるためだ。
信託銀行はこれに貸付債権の流動化やローン・パーティシペーション(融資の一部肩替り)で全面的に協力している。
販売は親銀行と協力してやっているが、ファイア・ウオールには充分気をつけている。
全国約200件の顧客と常時コンタクトし、ニーズを汲み取りながら商品を設計して販売している。
Bアセット・マネジメント・ビジネス資産運用は投資信託や投資顧問との競合する分野であるが、投信や顧問会社は運用するだけだが、信託銀行は運用だけでなく、管理、カストディや計算、報告など運用に伴うすべての事務も可能であり、この面で顧問会社と違った幅広いサービスができる。
ファントラも積極的に売り込んでいる。
ファントラでは“懲りた”関係者が多く、いまもって印象が悪い。
F信託では「資産運用信託」とかアセット・マネジメント・トラスト」として販売している。
低金利で世間では法人、個人ともに運用に困っている人が多い。
97年10月から特金が解禁になったので、これにも力を入れている。
手応えは充分ある。
運用方針は「ロー・リスク、ミドル・リターン」でいく。
将来は、顧客の要望を汲んだ「セミ・カストマイズド・ファンド」(個別特注投信)をつくって売り込みを図っていきたい考えだ。
これはプライベートバンキングにも使える。
Cプライベートバンキング大口の富裕層を狙う。
単独での預かり運用資産は5億円を基準としている。
富裕層向けの新商品の開発は、常に心がけている。
大都会の超富裕層はすでに大手信託や証券がかなり食い込んでいるので、中位の富裕層で「信託」が必要となっている年代を対象としている。
事業継承、相続税、贈与等の問題は人々の富裕化とともに、最近とみに関心が高まっている。
いま、個人信託が注目されている。
土地信託、公益信託も話が出てきた。
最近、F銀行から当初5億円の中小企業支援のための公益信託「ニュービジネス育成基金」を受託した。
不動産の有効活用も復活してきた。
障害者の家庭にも注目している。
身体障害者は全国に120万人いる。
その1%で1万2000人になる。
障害者は社会福祉の観点から相続税が免除されている。
日本の相続税は高く、贈与税も高い。
6000万円以上は半分も税金にとられるが、障害者はゼロである。
これを「特定贈与信託」で固い込みたい。
広い意味の事務代行業務、貸債などの有価証券信託、自社株の買入れなどの証券代行業務を行う。
貸債ビジネスは急速に伸びているので、是非強化したい分野と考えている。
投信の受託はシステムなど資本コストがかかるので見通しが立たないと簡単には進出できない。
F投信顧問は2000億円そこそこの投信残高では採算は苦しい。
投信ビジネスで3000億円、投資顧問ビジネスとしては5000億円の資産が欲しいところだろう。
F信託では、プライベートバンキングは教科書通り「何が顧客サービスになるか」を判断の最優先の基準にしている。
その際親銀行との協力が不可欠だ。
親のF銀行では96年の5月に「個人部」を作り、その中に「プライベートバンキンク。
室」を設営した。
約50人の「ファイナンシャル・アドバイザー」が配属されている。
ファイナンシャル・アドバイザーは行内で選抜して、平均すると40歳代後半、50歳に近い営業経験者である。
F銀行では男子社員は役員以外は平均52。
5歳で退くことになっているが、ファイナンシャル・アドバイザーだけは60歳まで働ける。
給料はちょっと安くなるが、最近は希望者が多い。
税理士や証券アナリストの資格試験などの勉強もしている。
なかなか優秀な人材が集まっている。
支店には、プライベートバンキング室の担当ファイナンシャル・アドバイザーが駐在、あるいは定期的に訪問して第一線の営業(渉外担当者)や店頭の相談員をサポートする。
彼らが狙っているのは信託銀行と同じで、少なくとも5億円以上の金融資産を持っている富裕層である。
ファイナンシャル・アドパイザーが「信託の器が必要だ」と判断する時には信託銀行に紹介してくることになっている。
信託銀行の4〜5人の営業部はこの対応だけで大忙しだ。
F銀行自身がF信託銀行をグループの重要戦略部門と位置づけているので、その育成には力が入っている。
F銀行は伝統的に富裕層に強く、顧客層も厚い。
Fの名前と信用は100%利用している。
F信託は「顧客支持トップバンク」を目指している。
N信託銀行は平成7年12月からプライベートバンキングを開始した。
当初の人員4名の小人数ではあるが、アメリカのモルガン銀行のプライベートバンキング部門を念頭において、資産50億円以上の資産家を対象に顧客化をすすめ、10年後には充分採算のあう体制にしたい、という。
この「モルガンを念頭に」というところにNグループの想いがこもっている。
N証券はモルガン・ギャランティ・トラストとはもともと親しい。
親しいというより“尊敬”していた。
“THN”によれば、N証券の創業者、N徳七にとってアメリカのモルガン商会とニューヨーク証券取引所は憧れと尊敬の的であった。
彼は1908年に半年にわたる欧米旅行を試みている。
この時、ニューヨークのウオール街で念願の取引所とモルガン商会を訪れたのだが、金融王」・ピーアモント・モルガンには門前払いで会えなかった。
この時の旅行で欧米の証券会社の社会的地位が日本と比べものにならないくらい高いこと、日本の証券会社の質を向上すべきことを痛感して、調査部門の強化と後の銀行や信託への進出を決意するに至ったとされている。
第一次世界大戦時の株式ブームで大儲けした資金で、1918年、ついに大阪N銀行(1927年にN銀行に改名、D銀行の前身)を設立し、“財閥”の仲間入りを果たした。
1927年にはニューヨーク事務所も設立した。
信託会社は、1933年の金融恐怖時代に藤田組から「大正信託」を買収し、1938年に「N信託」に改名したものだ。
戦後、これがD銀行の信託部門になる。
思い起せば、N証券はこのモルガンと合弁で日本に信託会社を設立しようとした。
1983年(昭和58年)4月にモルガン・ギャランティ・トラストのプレストン会長とNの村田会長が当時の竹下大蔵大臣に直接申入れたもので、大蔵省を驚かせ、金融界を恐怖に陥れた大ニュースであった。
結果的には、大蔵省はこの合弁計画を拒否したのだが、これが1986年10月からの外国系信託銀行の本格的本邦参入の糸口になった。
当時、N証券は合弁の話をすすめるかたわら、モルガンへ研修生を送り込むなど社内の体制を着々と整えていた。
合弁の話はつぶれたが、その時の研修生が15年後のN信託銀行で経営者として活躍するとは誰が想像したであろう。
N証券によるN信託銀行の設立には、徳七の執念がこもっていると言っていい。
プライベートバンキングの土壌N信託がプライベートバンキングを開始して3年になるが、内容は秘密に閉ざされまったく分らない。
プライベートバンキング室は他の部門から隔離され、社長以外部外者は誰も入れない。
電話も専用線である。
N信託の収益の柱はいまのところ投資信託の受託、貸債ビジネス、外国為替業務の三本で、融資業務はあまり伸ばしていない。
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